はじめに
相続に関わる言葉や手順は分かりづらいですよね。本記事はむずかしい部分をできるだけかみくだいて、まず何から始めればよいかを最短ルートで解説します。
いちばん大切なこと:相続に伴って不動産の売却があり得るなら、まずは“信頼できる不動産会社”に相談してください。登記だけを先に進めると、あとから道路持分などの登記漏れが分かって再度、同意書を取り直すことがあります。不動産会社なら、物件調査(法的制限や権利関係など)を事前に行い、必要に応じて司法書士・測量士などと連携して、無駄のない進め方をご提案できます。
この記事の読み方
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まず下の「まずは不動産会社へ相談」を読んで、進め方の全体像をつかむ
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そのうえで「トリプルチェック(名寄帳/権利証/公図)」の要点を押さえる
まずは不動産会社へ相談(ここがいちばん大切)
相続直後は、何から手を付ければいいか迷うものです。売却の可能性があるなら、不動産会社への相談を最初に行うと、ムダな作業や費用を防げます。
相談でできること
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全体設計:売却の要否・時期・想定価格・必要な整備(残置物、測量、解体 等)を逆算で整理
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登記漏れ予防:名寄帳/権利証/公図を使い、道路持分・接道の有無を先にチェック
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専門家との連携:相続登記は不動産取引に強い司法書士と連携し、登記漏れを防ぐ
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費用感の見える化:登記・測量・整備費など最初から把握し、資金計画の不安を解消
ご準備いただくと早いもの(分かる範囲でOK)
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物件の所在地(番地まで)、前面道路の私道の有無
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相続人の人数・続柄の概要
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手元にある権利証、古い契約書・重説、図面、固定資産税の納付書 など
おおたか不動産では、不動産売却を前提とした相続登記の場合、費用や工程を作成し、不動産取引に精通した提携司法書士をご紹介します。まずはお気軽にご相談ください(086-441-5010)。
無料相談:相続×売却 一次診断
以下5つをお伺いできれば、簡易な手続きをご提案します。
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物件所在地(番地まで)不明な場合はご相談ください。
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前面道路幅員/私道の有無(不明でも可)
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相続人の人数・続柄の概要
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権利証・契約書・図面、固定資産税納付書など書類の有無
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売却希望時期(○ヶ月以内/未定 など)
→ フォームへ / 電話する:086-441-5010
結論:固定資産税の書類だけでは不十分。名寄帳+権利証+公図で“取りこぼしゼロ”へ
相続登記の資料収集で固定資産税評価証明書や納税通知書(毎年4月頃)を基礎にするのは一般的ですが、これらは非課税や減免の対象になっている小規模地・道路持分などが記載されない場合があります。倉敷市では、土地の課税標準額30万円未満、家屋20万円未満は固定資産税・都市計画税が課税されないため、課税ベースだけ追うと登記漏れが生じます。
トリプルチェックの要点
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名寄帳:被相続人名義の土地・家屋を自治体単位で一覧化。倉敷市外に資産がある可能性があれば、その自治体でも取得。
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権利証・登記識別情報/契約書・重説:持分割合・地役権・通行関連の特約など、登記・契約レベルの痕跡を確認。
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公図・地積測量図・現地:地番の取りこぼしを防ぎ、前面道路の地番/持分/共有者を特定。住所↔地番は法務局などに備え付けのブルーマップ等で確認。
💡 Point:売却を伴う場合は、接道状況(建築基準)や私道持分の確認が、売却の可否、価格・売却スピードに直結します。
なぜ“漏れ”が起きるのか(倉敷の現場感)
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非課税・減免の筆は、評価証明/納税通知書に記載されないことがある(例:公共の用に供する私道持分など)。
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相続登記を評価証明ベースで急いで申請→名寄帳・権利証・公図のダブルチェックが不足→道路持分や細分された筆が未登記のまま残る、という流れが典型です。
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固定資産税の納付書にも非課税の不動産は載らないため、納付書だけでは相続不動産の全体像を確認し切れません。
売却予定のある方へ:まず押さえる4つの先行確認
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接道の法的適合(前面道路の種別・幅員・位置指定の有無など)
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道路持分の有無・割合・共有者(1筆だけ先々代名義のままになっていることがよくある)
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面積の整合(公図・測量図・謄本などから面積の食い違いをチェック、建物の増築し、未登記となった部分も確認要)
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承諾・負担関係(通行・掘削承諾、私道の維持管理負担 等)
🔎 当社の実例:複数ある道路持分のうち1筆が先々代名義のまま判明。相続人全員の印鑑書類を取り直す手間や&追加費用が発生しました。相続登記時に登記出来ていれば手間や追加費用も一切不要。
実践:安全に進める手順
STEP 0|目的の整理
売却の予定があるか、時期はいつ頃か。残置物・解体・測量の要否など、費用・工程の概算を先に把握。
STEP 1|一次収集(ご家族)
被相続人の権利証・登記識別情報、過去の売買契約書・重説、地積測量図、納税通知書などを集約。
STEP 2|役所での取得
名寄帳(倉敷市:資産税課)/固定資産税評価証明書(登録免許税計算用に各筆取得)。市外の可能性があれば併せて請求。
STEP 3|地図・現地との突合
公図・ブルーマップ(住居表示実施の地域)で住所↔地番を整合。前面道路の地番・持分・共有者を必ず確認する。
STEP 4|相続登記の申請(司法書士)
相続関係説明図・遺産分割協議書作成→未登記の漏れ筆を先行処理。売却前提ならお取引きスケジュールとの調整が必要。
STEP 5|売却準備(不動産会社)
価格や販売のための改善の提案(残置物、測量、解体 等)。接道・私道持分などは事前に確認し整理。
こういうときは専門家に(早めの相談が安心)
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共有者が多い/連絡が取りにくい
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里道・水路・私道が絡む
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位置指定道路の承継・管理が曖昧
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地役権・通行権の特約がある/不明
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担保設定ある場合や、相続税が気になる
司法書士は、不動産取引(売買・決済)案件を多く扱う事務所が安心です。
不動産会社は、相続×売却の地元の実績があり、不動産売買(接道・測量・承諾類)に強い担当者を。口コミなども判断材料になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 名寄帳を取れば“非課税の筆”も必ず把握できますか?
A. 自治体ごとに運用が異なるため、倉敷市外の可能性があれば、その自治体も取得してください。
Q. 売却はまだ決めていません。相続登記は急ぐべき?
A. 登記の義務化もあり、早めの申請をおすすめします。後回しにすると、相続人の同意取れなくなることや漏れ筆の再手続きで期間・費用が膨らむ恐れがあります。
Q. 固定資産税がかかっていない筆は相続しなくてよい?
A. 所有権がある以上、相続登記の対象です。非課税でも不動産売却時には後から見つかればやり直しが発生します。
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【執筆者プロフィール】
有本 博一(ありもと ひろかず)
株式会社おおたか不動産 代表取締役
宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
倉敷市を拠点に37年以上の実績と経験を持つ不動産のプロフェッショナル。倉敷市内の土地、戸建て住宅、マンション、空き家などの不動産売買を専門として、長年の豊富な知識と経験で丁寧なサービスを提供しています。
お客さまの不動産売買に関する様々なお悩みをサポート致しますのでお気軽にご相談ください。